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友人に赤ちゃんが生まれたのであいにいきました。

電車で、1時間とすこし、
徒歩で30分。
朝から降っていた雨もあがり、
涼しかったので、娘とテクテクと。

一年ぶりにあう友人。
その間に家族がひとり増え、小さかった息子くんも、すっかりお兄さんの顔になっていました。

ルーマニアに一年すみ、帰国して三年、この家族から流れる空気は、どこにいても、異国な雰囲気です。
古い物と手仕事を愛する彼らの暮らしは、いつも、訪れるたびに、こちらまで旅の空気でつつんでくれます。

新しい家族となった娘ちゃんに、
娘がきていた100年前のシルクのワンピースをおさがりとして贈りました。
新しい物をとも考えたのですが、このワンピースがいちばん居心地の良い場所はと考えたとき、彼らの顔が浮かびました。
やはり、このいえには、新しいなにかよりも、古くて大切に手入れされたものが似合う。

部屋にはそこかしこに、かわいらしいものが並びます。それぞれに物語があるものばかり。新しいピカピカのものの居場所は、ありませんでした。

娘が、図々しくも気に入って、羨望の眼差しをむけたフェルトの帽子。
骨董市でみつけたものだそう。

なかには、三越のネームがあり、前のつばの内側には造花がついています。
かぶったときに、ちらりとお花がみえてなんとも粋な帽子です。

「のんちゃんにぴったりだから、あげるよ。みんなね、よく帽子をもってかえるんだよ。帽子もぴったりかぶれるひとをまっていたのかもしれない!」
ていって、プレゼントしてくれました。

喜ぶ娘と、
申し訳ない気持ちのわたし。
でも、その言葉がとてもうれしかったので、ありがたく頂きました。
また、わたしも、なにかお返ししますね、と繋がる気持ちが心地よく、くすぐったい。

ありがとう。

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帰り道、駅までみんなで見送ってくれました。
もちろん帽子をさっそくかぶって。

行の30分よりも、もっとゆっくりと時間をかけて、歩く帰り道。

昔のひとの美意識の高さについて、おしゃべりしながら。


この帽子は、きっと、おしゃれして、特別な時間をすごしてきたのでは。
その風景をみんなで想像しながら、娘は嬉しさで、クルクルとまわっていました。
スカートがまあるく揺れて、気分だけは、一人前のレディだもんね。